債務整理の中には「個人再生」というものがあります
 自己破産は、財産として換価できるものは手放して債務を清算し、残りの債務はすべて免除してもらうことで、まさにゼロから生活を立て直す制度でした。
 
 ☆破産について書いています☆



 
個人再生の特徴としては、大まかに表現すれば「借金を法律で規定された割合に減額(圧縮)してもらって、分割で返済していく制度」です。このように聞くと、借金が圧縮されても残るのなら、免除される自己破産を選択した方が良いのでは?と思いますよね。

 

個人再生を利用する大きなメリットしては、「住宅ローンを返済中の自宅を手放さずに債務整理ができる」という点にあります。例えば、以下のようなケースで考えてみましょう。

 

【借金の額】

住宅ローン    3000万円
 消費者金融A社   200万円
 消費者金融B社   150万円
 C銀行       100万円

 

さて、先ほど「法律の規定された割合で債務が減額(圧縮)される」と説明しましたが、その割合から先にお伝えしましょう。

 

借金の総額(住宅ローンを除く)

最低弁済額

100万円未満

借金総額すべて(減額なし)

100万円以上500万円未満

100万円

500万円以上1500万円未満

借金総額の5分の1

1500万円以上3000万円未満

300万円

3000万円以上5000万円以下

借金総額の10分の1

  

では、この表に今回の例をあてはめてみましょう。

住宅ローンを除いた借金の総額が、450万円になりますから、減額後の最低弁済額は100万円となります。

 

 今回は、個人再生の細かい部分には触れませんが、かなりの減額が見込めることがお分かりだと思います。この100万円を裁判所の認可を得て、各債権者の債権額の割合に応じて約3年で返済していくのですポイントは、住宅ローン分の返済はこれまでと変わらず返済していくことができますから、自宅を失わずに済みます
 ここがやや難しいかもしれませんので、もう少し説明しておきます。

 通常、住宅ローンであっても、自動車ローンであっても、その債務を何らかの債務整理をすることによって手放さなくてはいけません。自動車のローンを返済中の方は車検証を確認していただけるとわかるのですが、車検証の「所有者」欄は債権者になっています。「使用者」の欄にご購入者の氏名が記載されています。つまり、ローンを完済するまでは所有権は債権者にあります。これを法律では「所有権留保」といいますが、完済するまでの間に返済が滞ったり、債務整理をしたりすれば、直ちに債権者が自動車を引き上げて換金し、返済に充てます。

 自己破産を選択すれば、イホームだけ除外、ということはできませんから、換金できる財産のすべてを手放すことになるのです。この点で、個人再生において住宅ローンは減額されませんが、債務整理をするにもかかわらず自宅を手放すことを免れることに大きなメリットがあるのです。

また、自動車についてもローンが払い終わっておれば、手元に自動車を残しておけます。(ただし、個人再生では、その自動車の価値が先程確認した最低弁済額を超える場合には自動車の価値の分だけが最低弁済額になります。例では、自動車の価値が150万円だとすれば、最低弁済額は100万円ではなく150万円になります)
 自己破産においては、自動車に価値があれば手放さなくてはなりません

 

 その他のメリットとしては、自己破産の時には手続中に就いてはいけない職業の制限がありましたが、これは個人再生にはありません。また、自己破産では借金の原因によっては、債務を免除されない事由(免責不許可事由)が規定されていますが、個人再生においては謝金の原因は問われません。

 

 今回は、なじみの薄い個人再生についての概要をみてきました。大幅な債務整理が必要で、ローン返済中の自宅を残したいケースにおいては検討の余地があります。




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